【古民家】囲炉裏について
【古民家】囲炉裏について
はじめに
「古民家」と聞くと、大きな特徴して茅葺屋根や囲炉裏などが連想されます。
最近は、キャンプ場でもない限り、本物の火をみることはないですよね。
ですが、昔の人にとって囲炉裏は、最も身近で、なくてはならないものでした。
そんな、囲炉裏には重要な機能がたくさんあります。その魅力について
お話します。
囲炉裏には、「自在鉤」と呼ばれる、囲炉裏で煮炊きするため、鍋(なべ)や
釜(かま)をかける道具があります。。いろりの上を通る梁(はり)からつり下げ、
上げ下げや回転を自在にすることができることから、「自在鉤」といわれています。
自在鉤には、「横木」と呼ばれる鉤棒を支える木があり、魚の形をみたことが
あると思います。これは魚が、水の中にいて、目を閉じないことから、火を
見守って、家事を防いでくれるというおまじないみたいなところから来ています。
囲炉裏の数え方は、一基、二基というように数え、2つあるところが多く、1つは
家族用、1つはお客様用として使われていました。昔は火をおこすのが非常に
大変であったため、囲炉裏の火は火力を調整し絶やすことなく燃やしていました。
囲炉裏の機能① 暖を取る
昔は、エアコンなどありません。古民家は構造上、夏は涼しく過ごせるように
作られていますが、冬は、すごく寒いです。そこで暖を取るため使われていました。
薪をくべて火力を調整します。薪はかなりの量をストックしておく必要があります。
囲炉裏の機能② 照明のかわり
照明のない時代の夜は、真っ暗です。そこで、囲炉裏が照明のかわりとなって
暗い室内を照らしていました。
囲炉裏の機能③ 燻蒸
煙を上げて、茅葺屋根についた、虫を防いだり、乾燥させたり、煙をコーティング
することで、建物の強度を保っていました。現在残っている古民家の多くは、常に
燻蒸をして、建物自体を保存しています。
囲炉裏の機能④ 食事
鍋や窯を自在鉤に下げ、上げ下げすることで火力を調整して、食事を作っていました。
当時の食べ物は、ひえやあわなどの雑穀、焼き魚、焼き芋などを囲炉裏で調理したと
思われます。
囲炉裏の機能⑤ 黒板かわり
当時は、学校というものがなかったので、基本的に読み書きをすることはありません
でしたが、囲炉裏の灰の白い部分に、火箸を呼ばれる鉄の棒で、子供に名前を教えて
いたと言われています。現代の黒板のですね。書いてもまた平らにならしてまた
書くといったイメージです。
囲炉裏の機能⑥ 家族のコミュニケーションの場
昔の家族は、大家族でした。朝早くから夕方まで農作業をして、夜になると囲炉裏を
囲み家族のコミュニケーションがはかられました。上座や下座、かか座、客座など、
座る位置が決まっていました。また、囲炉裏には火の神が宿るとされていたので、
足をかけたりするとしかられるなんてこともありました。
まとめ
現代において、残っている囲炉裏は、ほぼ鑑賞用とされていますが、その機能や役割
を知れば知るほど、興味深く感じます。もし興味いただけたのであれば、「古民家」
の数は、総務省の調べで、全国156万戸あるとされています。地元の郷土館など調べて
行って、実際に火にあたってみるのも良いと思います。