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【古民家】茅葺屋根について

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【古民家】茅葺屋根について


はじめに


古民家」を見るときに、一番初めに目につくのが「茅葺屋根」です。
茅葺とは、ススキ、ヨシ、藁などを束ねて屋根を葺いていきます。
葺きたての屋根は、黄金色に輝き美しいです。時が経つにつれて色も
灰色になっていったり、苔が生えたりしてそれはそれで、趣があって
良いものです。古民家を語るときには、「囲炉裏」同様に絶対に外せ
ない、「茅葺屋根」についてお話します。

「茅」はススキやヨシなどの植物の総称で、これを葺くと茅葺、藁を
葺くと藁ぶきなどと言っています。

 

茅葺屋根の構造

茅をを葺くために、はじめに竹で、屋根の形を作ります。竹という
素材は、全国どこでも生えていて、手に入れやすく、軽くて丈夫、
加工しやすいという特徴があります。竹で屋根の形を作ったら軒先
から葺いていきます。

 

昔は、村の人たちが一斉に手伝って作りましたが、現代では、専用の
職人さんが葺いています。今も昔も葺き方はすべて手作業でかなりの
時間と手間がかかります。葺く厚さは約80cmで、この暑さのおかげで、
雨がしみ込んできません。またススキやヨシは1本1本がストロー状に
なっていて、空気を含んでいるので、保温や、保湿に最適な材料
なります。

 

茅葺屋根のメリット

茅葺屋根にすることにより、通気性が良く、保湿性、断熱性に優れ、
また吸音性があるので、夏は涼しく、冬は暖かいというメリットが
ありました。また、囲炉裏で煙をあげることで、隙間に住みついた
虫などを追い出し耐久性を増していたので、1回葺くと、20年~40年
くらいもたすことが出来ました。現代に残っている古民家は、
江戸時代から残っているものが多いですが、屋根だけは、何回か
葺き替えています。

 

茅葺屋根のデメリット

茅葺屋根のデメリットは、火に弱いことです。そのため古民家の屋根は、
かなり高い位置にあり、囲炉裏の火の粉が簡単に上に行かないように
しています。囲炉裏で燻蒸すると、蛇や虫が落ちでくるのもデメリット
でした。


茅葺屋根のメンテナンス

囲炉裏で燻蒸して、虫を寄せないようにしていますが、屋根全体に
行きわたらないので、虫のいるところに、鳥が来て、虫をつつく際に、
茅にも傷がつきます。

鳥がつついたところは穴が開き、水などが入るので「差し茅」で
穴のあいたところを補強します。また、日の当たらない北側は、
屋根に苔がはえてしまい腐食が進むので、苔落としをする必要が
ありました。


茅葺屋根の値段

茅葺屋根の材料は、ススキやヨシなどの植物ですが、今では、
葺く職人さんが少なく職人さんが来るまでの、交通費や人件費が
メインとなるのですが、相場は2000~5000万円と言われていて、
家を建てるより高いものとなっています。また現代では新しく
茅葺屋根で建物を建てることは、出来ません。

 

屋根の形

古民家の屋根の形もいろいろとあり。「切妻」「寄棟」「入母屋」
などがあります。また屋根を補強するため、植物を植えた、
「芝棟」、屋根の頂部に箱型の芯となる部分を作った「箱棟」など
があります。いずれも、地域に合わせた作りになっていて昔の建築
技術の高さに驚かされます。

 

まとめ

今回は、茅葺屋根の魅力について、お話しました。「古民家」を
見る機会があったら是非、屋根の造りや、囲炉裏を見てください。
そこには地域地域の気候にに合わせた昔の知恵が詰まっていて
現代においても、何の遜色もなく見ることができます。


また、地域ごとに建て方も違っているので、ひとつひとつじっくり
見ることでさらに興味が沸いてくると思います。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。