Attisan’s blog

「いつも笑顔で。毎日に感謝」

【古民家】合掌造りの魅力

f:id:Attisan:20210924085252p:plain

【古民家】合掌造りの魅力


はじめに

古民家で、最も有名な建築様式のひとつに「合掌造り」があります。

岐阜県内の庄川流域にある「白川郷」、富山県の南西端にある

南砺市の旧平村、旧上平村、旧利賀村を合わせた「五箇山」は

誰もが一度は、耳にしたことがあると思います。最近では、

ユネスコ世界遺産(文化遺産)」に登録されたことでも

知られています。

今回は、この合掌造りの魅力などお話したいと思います。

 

何で合掌造りって言われるのか

合掌造りのの名前の由来は、拝むときに、手のひらと手のひらを

合わせますよね。その形が、屋根の形と似ているところから来ている

と言われています。

 

特徴のある屋根の造り

岐阜県富山県は、豪雪地帯なので、この地域の屋根の勾配は、急で

45度から60度になっています。この勾配により水はけがよくなり、

雨や雪から家屋を守ってくれます。(雪もつもることが少なく

雪おろしなどの作業が軽減できる)また、屋根を補強するために、

笄(こうがい=かんざし)と呼ばれる太い丸太を、屋根上部に水平に

貫き、そこに縄をかけて締め上げることで強度を増していました。

このような形の屋根を「笄棟(こうがいむね)」と呼んでいます。

 

2階3階は養蚕として使われた

急な勾配の屋根は、屋根裏に二層もしくは三層の空間が確保され、

豪雪で農業が出来ない秋冬の生活の糧を確保する「養蚕業」にとって

都合が良いものでした。江戸時代中期頃は、養蚕業が活発になり

合掌造りの2階には、養蚕の棚を設置するところが多くなりました。

2階に設置することで、囲炉裏からの温かい空気が上に行きわたり

蚕を育てる環境としてちょうど良い構造になりました。また、2階や

3階に大きな入口らしきものがあるのは、雪で1階が塞がれたときに

使用されたと言われています。

 

囲炉裏の上にある大きな棚

合掌造りの家の囲炉裏には、火棚(ひだな)、火天(ひあま)

呼ばれる棚が、上部につるしてあります。この火棚は、寒い地域に

多く、関東や温かい地域の古民家には、あまりみられません。


この棚の役割は、囲炉裏の熱気を上へ逃がさず対流させることで

暖がとれること、また茅葺屋根へ火の粉が飛ぶのを防ぐことなど

がありました。また、雪深い地域なので、外から帰ってきた後に

着ていた蓑やかんじき(雪の中に足が深く入るのをさけるために、

はきものの下につけるもの)を棚の上にのせて乾燥させたり、

春に、撒くための種を袋に入れて乾燥させたりもしていました。

 

見ごたえのある太い柱や梁

合掌造りの家は、豪雪地帯にあるため、その柱や梁も、他の地域

の古民家に比べると、かなり太いものになっています。これは、

雪の重みに耐えられるように太くしてあります。また、屋根に

ある太い梁は、「牛梁(うしばり)」と呼ばれ、寒い地域で育った

木が、雪の重みで曲がって育ち、その木を組みあわせて梁を作って

いてその形が、牛の背骨のような形からそのように呼ばれます。

 

まとめ

日本の古民家の多くは、基本的に高温多湿の夏を快適に過ごせる

ように工夫されていますが、寒い地域にある合掌つくりの家は、

それらに加え、様々な知恵で、雪や雨、寒さの対策が取られた

すばらしい家屋です、現代では、再現することが難しいため、

国の重要文化財の指定や、世界遺産にも登録されこれからも

守っていかなければならない文化です。


最後までご覧いただきありがとうございました。